社員番号333 MYルール読書197「沖で待つ」絲山秋子 ネタバレ注意!



前回から群馬県つながりで、高崎市在住、絲山秋子。

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「勤労感謝の日」と「沖で待つ」の2篇。

事故で顔をケガした主人公が

「傷ついたって美人は美人、と威張れるほど
私は美人じゃないし、
もともとどうしようもない顔なんだから
ノープロブレム、と
と言い切れるほどのブスでもない。」

絲山さんのこういう表現大好きだ。



自分を美化するでも卑下するわけでもなく
ものすごく不幸でも幸せでもない、
困難に打ち勝つすごい力があるわけでもなく
落ち度がないのに太っちゃんのように突然死んだり
我々が暮らしている
理不尽で、とてもごちゃごちゃしている世界を
リアルに描いてくれる。


でもそこにわざとらしくない、
小説ならではの光
ちゃんと感じることができる。


それは、
最悪な見合いの日に、
居酒屋のマスターが犬のフンを踏んづけた話で
笑う恭子ちゃんであり、

死んでいようが、生きていようが
「同期」という不思議なキズナで結ばれている
太っちゃんと及川、なのだと思った。


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